蝶樹の浅海人奇譚

to be or not to be anywhere to be that i will be … to be going to go on with the tortoise 'Saku' and my sincere companion , If justice is human love …

昨日の成功ほど危険なものはない

 今日はちょっと固めです。

  ドコモが野菜通販大手企業を買収することをニュースで知った。このニュースに小生は、かの未来学者アルビン・トフラーの言葉を思い出した。「昨日の成功ほど危険なものはない」と諭し、企業は絶えず新しい産業環境に応じて姿を変えていくことだけが成長に繋がる道はないのだと。2009年の携帯電話業界、世界の半分のシェアーを握っていたNokiaシンビアンOS、そして2012年の今、その構図は跡形も無く崩れ去り、ご存知のとおりGoogleアンドロイド端末がいとも簡単に席巻してしまった。
導くビジョンもなく、旧態なままのビジネス・モデル、ひたすら既定路線で突き進もうとした企業の行きつくさまは、まさにトフラーの提言を具現化しただけだった。
 2011年、日本は31年ぶりの貿易赤字となった。東日本大震災やタイ洪水被害など、特別な年であったことを要因とみるものもいる。工業化社会、お家芸のもの作りとして高度成長期でジャパン・アズ・ナンバーワンとまで日の昇る国は活気あった時代は過ぎ去って久しい。日本の大手電気メーカが軒並みに赤字決算で経営不振に陥ったことも、災害的な問題でもなく構造上の問題であったといえる。ペティ=クラークの法則しかり第三の波(脱工業化社会)となる核のサービスは、もの作りにも垂直統合的に付加価値あるサービスを要求することを示唆している。
 ドコモが携帯電話事業の市場成熟化をにらみ、さらなる新規事業の展開としてローソンの物流網で野菜を売るビジネス・モデル、ドコモの企業規模からすれば少ない投資であるが重要な戦略ではないか。未来永劫、産業環境は絶えずかわり、成長する企業も変わらざるえないものなのだから。

サクでした。
では!